あの丘の上で

次の日、僕は、FCを抜けた。マスターからも先輩ちゃんからも引き止められなかった。先輩ちゃんから一言「行ってらっしゃい」とだけ言われた。

僕も、「行ってきます」とだけ返した。

今日はあの一連のクエストの最後のクエストを受ける日だ。クエストの地図は、コスタ・デルソルのあの丘の上を指している。偶然?、なんでと思った。

彼女との旅も今日で終わりだ。丘に登った、僕にとっては、見慣れたいつもの風景が目の前に広がっている。

彼女は、海の方を向き「お母さん、ただいま」と言った。黙ったまま、しばらく、やさしい海風に吹かれていた。

彼女は、母親に会えたのだろうか。そして、最後の時が来た。彼女は言った。

「ここは母が好きだった場所。母に会えたきがします。祖母あての手紙を読み、両親にちゃんと愛されていたんだとわかった。今まで自分の出生を恨んでたいたことが、バカみたい。私は今のそのままの自分を受け入れることができました。イシュガルドへ戻り、竜と人との交流に尽力したいと思います。今まで、一緒に旅をしてくれてありがとう。」

複数の返答の選択肢が表示された。あえて「・・・」無言を選んだ。言葉にできなかった。キャラデリして忘れかけていた彼女の顔が浮かんだ。 しずくが落ちた。あふれたものが頬を伝っていた。暖かいものが溢れて止まらなかった。

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