私のメインジョブは、忍者。このジョブは、彼が薦めてくれた。レイドには、近接の枠が二つあるから一緒に練習できるよと誘ってくれた。彼は、ピュアDPSの侍だった。私には、方向指定の少ない忍者を薦めてくれた。レベルが違いすぎて、一緒にやることはないとはわかっていた。ノーマルコンテンツには、付き合ってくれた。ノーマルコンテンツでジョブかぶりは、普通にあるので、近接ジョブである必要はなかったのに。
今日もトークンを稼ぐため、ノーマルレイドルーレットを申請した。戦闘は好きだ、戦闘中は、色々なことを考えないで済む。私は、最初に必ず、パーティリストを確認する。探しても意味ないのに。今日も侍がいる。戦闘が始まった。
「似ている。彼に。」
その侍の動きをみて、そう感じた。そう感じた瞬間、彼の顔が思い出せないことに気がついた。どんな顔だったっけ、全体の印象以外はっきりしない。そんな自分に動揺した。コンテンツで侍の男性キャラがいる時は、いつも顔を確認する。彼じゃないとわかっているのに。また、侍の顔を確認する。わからない。あれほど、自信があった判別が今は、できない。さらに、今の侍の顔を見ているうちに彼の顔を上書きしてくる、さらに混乱した。混乱したまま、戦闘は、終わった。
その日は、予定の目標トークンを稼げないまま、ログオフしてしましった。