食事と薬の在庫を調べた。各ジョブ用の食事と薬が各数百個以上積みあがっている。今売れば、高く売れる。億万長者も夢じゃない。数か月後には、型落ちになって、投げ売り状態になる。それがわかっているのに、売らずに、在庫を毎日積み上げている。私、何しているんだろう。結局、前回もすべて型落ちして投げ売りした。素材は、集めているので、赤字じゃないが、ギルはほとんど増えていない。
ふと「今の在庫もゴミになっちゃうのかな。」
そんな不安を振り払うように、“彼が戻ってきたときに困らないようにしなきゃ。”と思い込むようにした。
ここ最近の出来事で、素材、トークンの目標計画が大きく崩れていた。今日は、立て直そうと思いログインした。
ログインして、彼の顔を思い出そうとしても、やっぱり、浮かぶのは、昨日の彼の顔だった。もう思い出せないのだろうか。
そう考えていると私を待っていたかのようにTellが入る。昨日の彼からだ。
「こんにちは、今日も一緒に回りませんか。」
「すみません。私忙しいんです。」
「なにするんですか。」
「ルレ、全部回します。」
「なら、一緒ですね」
同じ、会話を繰り返した。
ルレを回り終わると、また、彼から聞かれた。
「レイド行くんですか。」
「いいえ、私は行きません。CWLSでチーム運営しています。」
と答えた。
「すごいですね、本格的に運営しているんですね。」
「いいえ、今チームは、休止中です。いつ再開してもいいように準備しています。」
「何人足りないんですか。」
「一人もいません。」
問いに答えるたびに、悲しくなってきた。少し間をおいて
「じゃあ、僕を入れてください。」
と言ってきた。
「目的は何ですか。休止中と言ったじゃないですか。」
からかわれているのかと思って、いらっときて、きつい口調で返した。
「目的ですか。在庫を消化しようと思います。」
彼は、積みあがっている、食事と薬を指しているのだと思った。
「必要ならいくらでもあげます。何が何個欲しいか言ってください。」
「じゃあ、遠慮なく、近接のご飯と薬を99個ずつください。」
「どうぞ」とトレードした。
「今、手持ちのギルが無いので、後日支払います。」
「要りません。」
急にむなしくなって、この日もそのままログオフした。
ロドストの日記にいいねいただきありがとうございました。
物語書かれているのですね。
一気読みさせていただきました。
本当にありそうなお話で、プリムローズさんと彼の今後が気になります。
そして、失踪した彼は…。
続きが楽しみです。