FCハウスの個室のベッドに寝転んだ。何がしたいんだろう、私は。認められたい。誰かに。自己承認欲求なのかな。かわいくなりたい。何のために。誰かに見てもらいたいのか。やっぱり消えた彼のことを思い出す。顔だけは、マスターに似てるが中身は彼だ。マスターは、彼の代わりじゃない。それは分かっている。私は、いまだに引きずっている。
マスターも消えた彼女を引きずっているのだろうか。連日の姫ちゃんの準備疲れか、急に眠くなり、その場で寝落ちしてしまった。
30分くらい経ったのか、はっと目を覚ました。リテイナーが帰ってきていることを思いだして個室を出た。FCハウスの応接にマスターがいた。
私に気が付いて、「本当にごめんなさい。姫ちゃんは似合いませんよ、プリムさんには。」
続けて「だって、プリムさんハイランダーでしょ。姫ちゃんは、やっぱり、ミコッテかミッドランダ―じゃないかな。」
種族かい!と思ったが黙って話を聞いていた。
「ハイランダーなら、イメージ的に女王様じゃないかな。でも、プリムさんは、プリムさんでいいんじゃないんですか。あっ、その衣装は、似合ってますよ。」
「それから、みんな言ってましたよ。プリムさんのお陰で、カンパニーアクションが常時発動しているし、FCのギルも増えているって。」
お前だけか気が付いてなかったのは。心の中で突っ込んだが、この時は、突っ込む元気もなく黙って、マスターの話を聞いた。