「一緒に観たんですか?」とアヤちゃんが驚いた。“あれ?なんなんだろうこの違和感。”
「その後、食事して、多才なライバルが現れて、海行って、こんがらがって、花束渡して、今に至る。」
と僕も返す。“あれ?プレゼントの品・・・”
“海に一緒に行った!? 同じ映画見て・・・・海行って・・・・花束もらって・・・・・。”
「もしかして、バッドさんって月島さんですか。」
「えっ、アヤちゃん、なんで僕の本名を知ってるの。」
「やっぱり、月島さんなんですね。」
「そ、そうだけど。」
“同じ映画見て・・・チャラ男からのプレゼントの話聞いて・・・海行って・・・花束贈って・・・。”
「あれ、アヤちゃんって、もしかして坂本さん?」
「そうです・・・・。」
しばらく沈黙が続いた。僕たちは、今まで何をしていたんだろう。僕は、PCの前で、大爆笑した。可笑ししぎて、涙が出てきた。二人で今までのことを整理して、FCハウスへ向かった。
マスターの長谷川を2人して詰めた。
アヤちゃんの第一声の抗議。「なんで早く言ってくれなかったんですか?」
僕からも「早く教えてくれよ、おかしなことになったじゃん。」と支援。
長谷川はそれに対し、しれっと、
「あれ、知らなかったの?知ってると思ってた。でも、個人情報だしね。会社の同期なんだからバッドには手を出すなと事前に注意してただろう。というか、花束の時点で普通気が付くだろ。」
と本当に、僕たちがお互いの本名を知らないことを知らなかったようだ。