僕の仕事がうまく行っていないことは、彼女にも噂で伝わり、あの朝のことは、彼女から特に何も言われなかった。
また、突貫工事がうまくいくわけもなく、納めた製品の動きに顧客からダメ出しが来た。行き詰って、本当はだめなのだが、YさんがSpark君の専門分野に近いというのでちょっと相談してみた。Spark君は、「古いアルゴリズムですね」といって、「これが良いですよ、枯れてますし」と、オープンなライブラリを紹介してくれた。「商用利用も可能ですから組込んでも問題ないです。一応ライセンス貼っておきますね。」と続けた。
僕は、Spark君をこの人完璧だと思った。
早速修正に入った。彼女には、心配かけたくなかったので何も言わなかった。実際は、そういう関係なのかも自信がなかったのが本音だと思う。しかし、彼女は、Spark君から状況を聞いていて、僕に「戦闘飯大量に作って待ってるから、早く戻ってこい」とメッセージを送ってきた。
Yさんとソフトを完成させて、再納品したところ顧客から無事OKが出た。
この後、YさんとSpark君が今までより親密になったと感じたのは気のせいだったのだろうか。