海賊船が次に狙う商船のタレコミがイエロージャケットに寄せられた。前回の密輸摘発情報の漏洩の件があったのでイエロージャケットは、慎重だった。偽情報として、対応を見送った。無傷開放された件で、彼女も情報漏洩者としてマークされていた。徹底的に調べられたが疑わしい証拠はもちろん出てこなかった。
そのタレコミ情報通り、その商船が襲われた。次に、また、密輸情報が寄せられた。この情報源は、確実と思い、対策が検討された。東ラノシアの海岸の取引地点と日時が指定されていた。取引の現場を囲むようにイエロージャケットが配置された。彼女も動員され、短弓での後方支援を任された。情報通り、密輸取引が摘発できた。問題は、密輸品の中にクリスタルが含まれており、捕らえた密輸業者からサハギン族に売るためということだった。サハギン族がクリスタルを集めている。蛮神の召喚準備が疑われた。
密輸品の中に一枚の地図が見つかった。それは、箱に貼られた箱の中身を示すステッカーの下に隠されていた。地図が示す場所は、幻影島の沖の岩礁に囲まれた海域にある島だった。浅い岩礁地帯に囲まれており、座礁の危険から大型船では、そこには、行くことができなかった。
先の取引失敗により、海賊の船長は、窮地に立たされていた。船長とはいえ、裏組織にやとわれただけの中間幹部だったのだ。次の仕事は、失敗は許されないと、大量のクリスタルとともに、上位の幹部が乗り込んできた。上位の幹部は、お前の替えはいくらでもいると船長に告げた。そして、「俺は大丈夫。豪商とのつながりを示す証拠持っている。同じものをウルダハの女にも預けている。」と聞いてもいないことをぺらぺらと話した。最後に「お前も自分の身は、自分で守らないとな。」と助言をしてくれた。船長は、その通りだと思った。
船上から外を眺める。そこは、幻影島の沖の岩礁に囲まれた海域にある島だった。大きな海賊船がどうやってここに入ってきたのか。それができる理由があったサハギン族の水先案内を受けていたのだ。
複雑な潮の流れを読み取り、安全な深い水路がわかるサハギン族の水先案内があって出来る技だった。