「私ね、友達からもてるねとか言われてたんだけど。自分ではよくわからない。自分の顔は自分では見ないし、中身平凡で特にとりえもないから。」
「そうなのかな。」僕の方がわからないよ。なんで僕なんか追ってくるのか。マドンナなんだよね。
「だから、友達に相談してみた、気になる人がいるって。ちょっと驚いた感じだったけど、私なら大丈夫って応援してくれたんだよ。でも卒業で離れちゃって。それっきりだった。SNSとか見てたら、このゲームに居るの見つけた。」
「そうなんだ。」僕は気が付かないふりを続けた。
「だけど、きかっけがなくて、同じ世界で同じ時間と風景を共有できるだけでうれしかった。ずっと。」
「そうなんだ。」としか僕は答えなかった。