ノフィカ

この日も石碑に向かう。二人で石碑に向かい祈りをささげた。
今日も誰もいない。マスターに伝えなきゃ。私の気持ち。
「マスター、ありがとう。今、この世界を楽しめているのは、マスターのお陰だよ。」
「そんなことないよ、プリムさんなら、いつか立ち直れたはずだよ。プリムさんなんだから。」
「そんなことないよ。自分じゃ気が付かないことなんてたくさんある。」
「見て見ぬふりなんてできなかったよ。だって僕自身だって悲しみの中に居たんだから。僕も気づかせてもらった。でもそれって。自分で気が付くしかない。僕は、ただ、そこにいただけだよ。ただ、横に立ってることしかできなかったよ。」
「それだけで十分だよ。だからそばにいたい、そばにいてほしい。」
僕は、返す言葉がなかった。気が付かないふりをしてた。プリムさんの気持ち。僕は臆病だから。

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