同情

キャラ操作時の私の心が男子になっているのかわからないまま、レベルを上げていった。ゲーム自体は、楽しいけど、当初の目的、男の心を知るはつかめていない。山田君に言われていたレベル15になったのでどうすればいいのか聞くために、またお昼に山田君を誘う。

「レベル15になったよ。ジョブクエも終わったよ。」
「おめでとう。じゃ、初心者の館ですね。ここで戦闘の基本を学びます。全部のクエストを受けてください。クエスト受けるとビギナー装備を一式もらえるのでそれに着替えて下さい。ストーリーも進めてくださいね。最初のインスタンスダンジョンに行けるようになったら、また、連絡ください。一緒に行きますから。」
「わかった。ところで、カコちゃんには、恋人とかいないの。結婚システムとかあるみたいじゃん。」
「エタバンのことですか。カコには、恋人いませんよ。ソロプレーヤーです。」
「じゃ、私が、なってあげるよ。男子の気持ちが知りたいんだよね。」
「やめてください。同情ですか。同情は必要ありません。」
本気で怒っているみたいでびっくりした。
「ごめんなさい。軽率だったね。」
私、冗談のつもりだったのかな。カコちゃんには、良くしてもらってるし、山田君のことかわいいと思ったし、元カレにも未練もあるし。複雑な感情が混じっていた。

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