ちょうど月は2月、ヴァレンティオンデーのイベントのさなかである。喧噪の中、なんとSサイズの一等地に当選した。土地の支払いも済、晴れて僕らの土地を手に入れた。すぐに、眼鏡女子を会計責任者に任命しようと考えていたがいろいろあり後回しにしていた。
その日の夜、ミコッテ女子から僕に連絡が入った。個人的な相談を含めてだという。
「マスターさんは、誰かとお付き合いしていますか?」
「いいえ、していませんよ。なんでですか。」
「わたしー。マスターさんのこと、ちょっと意識してるんです。これ私の気持ちです。」とハートチョコを渡された。
「ありがとう。」と言ってその場で食べた。
「それで、私たち二人の将来的なことも考えて、FCをもっと大きくしたい思うんです。私に、募集担当させてくれませんか? 招待と除名の権限を付与して欲しいんです。」
「ごめんね。そういうことは、みんなと相談して決めるから。」
何とか誘惑を振り切って、僕は、その場を逃げ切った。誘惑されている間、ずっと僕は、眼鏡女子のことだけを考えていた。
