結論

ログインすると久しぶりに彼からTellが入った。「おしゃれ装備ができたから、渡すよ。」
私の中で結論は出ていた。結論は、会うだけあって話そうと。
彼は、会うなり、おしゃれ装備をトレードしてきた。私には必要のないものだったが、受け取る、受け取らないの話は、したくなかったので、素直に受け取った
「もう構わないでほしい。一緒にいた彼が突然いなくなった。今でもずっと待っている。私は、一人で待つと決めました。」と、もう私にかかわらないでほしいと伝えた。それに対して彼は、
「僕にも、彼女が突然いなくなったことがある。それから、ずっと一人で彼女を待っていた。でも気が付いた。今日が大事なんだって。気が付かせてくれた友達がいたんだ。君を見た時、なんか似ているなと思った。」と言ってきた。
彼女がいなくなって、私が彼女に似ている。私は、そう解釈した。私は代わりじゃない。
「私は、あなたの彼女の代わりにはなれないよ。」
「違うよ。似ているのは、あの時の僕にだよ。ずっと時間が止まったままの感じで、あの時の僕に似ているなと思い心配になった。」
続けて「僕は、ある日、彼女の顔がぼんやりとしか思い出せなくなっていることに気が付いた。SSを見れば、彼女との思い出がよみがえってくる。確かに彼女は僕の隣に居たんだ。時間は止められない。時間が記憶を消していく。残酷だと思った。そこにとどまることも許してもらえない。でも友達は違った。そんな僕に、言ったんだ。“いつまでここに居られるか分からない。だから今日を楽しむんだ。悲しみ続ける必要はない。”って。」
「だったら、その友達と遊べばいい。私とでなく。」
「友達はもういない。彼は、病気だった。病状が進行して、ここを離れる日が来た。友達は、それを受け入れざるえなかった。だから、今を大事にしていた。僕にそのことを気づかせてくれた。僕は、その友達には毎日、また明日とあいさつした。今を大事にしていれば、別れの痛みも時間が消してくれると思ってる。君だって、君の明日が来なくなるその日まで悲しみ続ける必要なんてないんだよ。どういう形かわからないけど、必ず悲しみにも終わりはくる。その時を君の終わりの時と一緒にしてほしくない。自分の明日が来なくなる日がいつかなんて誰にもわからないんだから。もう・・・・・・」
頭の中がぐるぐる回って、もう、彼の言葉が理解できない。私は、懸命に居なくなった彼を思い出そうとした。居なくなった彼の顔がはっきりと思い出せない。でも、彼が、私の現状を見てどう思うだろう。立ち止まっていることを喜ぶだろうか。彼だったら、きっと、喜ばないと思う。
私は、「ごめんなさい。また明日。」とだけ言って、ログオフした。

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