とりあえず、花束作戦の顛末を報告するためアヤちゃんを呼び出すことにした。ただ、マスターに見つかりたくなかったので、FCハウスにではなくカーラインカフェに呼び出した。
アヤちゃんは、開口一番「花束渡せましたか?」と聞いてきた。
「渡したけど、なんか心の整理をつけたいとか何とか言ってはぐらかされちゃったよ。」
「なんか、私みたいな人が他にもいるんですね。私も整理したいので、ちょっといいですか?」
正直、何だよこんな時にと感じた。
「どうぞ」と投げやりに応じた。
「バッドさんは、なんで私にやさしくするんですか。」
「優しくしてないよ。あげたものは、全部ゴミって言ったよね。女の子に声をかけるのは、そういうキャラ作りなんだよ。」
「でもIDで困ったとき、助けてくれたじゃないですか。」
「みんな助けるよ、あの状況なら、仲間なんだから。」
「わかんないんです。自分の気持ちが、現実とこことでぐちゃぐちゃになっちゃって、重なってて、似てて、同じようでで違うようで、もう。」
「ごめん、でも、アヤちゃんは、僕のリアルのことなんか全然知らないでしょ。引っ込み思案で、いつも、なんか負担掛けてるなと感じていて。そんな中で勇気出して伝えたい人が見つかったけど、伝え方が良くわからなくて。」素の自分になっていた。
「バッドさん、私こそ、ごめんなさい。真剣な相談だったのに、適当に答えて。」
この日は、会話がないまま、僕は、この場で落ちた。