僕は、唐突にレモンカードザッハトルテを渡す。
「こんにちは、これプレゼントです。」
彼女は戸惑っているようで
「ありがとう。どうしたの。」と聞いてきた。
「理由ですか。うーん、一緒にいろいろやってて楽しいから。感謝の気持ちです。」
と、お返しであることも実名も明かさなかった。
「感謝ですか?手伝ってもらってるのは私の方だよ。」
と彼女は、僕の返しが意外のようだった。僕は、あの時できなかったことをここでも繰り返したくなかった。
「ただ、楽しいことへの感謝じゃだめですか。」
「だめじゃないよ。昔の話だけど、私も渡したことあるから。その時は、答えもらってないけど。」
それはあの時のことかな。
「僕は、今、忙しくないし、特に困ってもいないから。いつもの様に遊びませんか。」
僕はあの時の事の言い訳として現状を説明した。いつもの様に一緒にルレに行った。