僕は数日間、ゲームから離れた。特にやることもなかったからかな。自分を見直すためもあった。思い出と記憶を整理するために。同じ事象でも僕と他の人の記憶は全く違う。感じ方も思いも。それぞれがそれぞれの大切な記憶を抱えている。
僕がやりたいこと。僕の大事なこと。仕事は大事。リアルも大事。健康も大事。確かめるように街に出た。そこで、花を買った。小さいサービス品だけど。なんとなく部屋に飾った。それから、コーヒーを淹れた。
ゲーム機を立ち上げる。ログインする。町の喧騒の中にいた。触覚、味覚、嗅覚は画面からは得られない。部屋の花とコーヒーが世界に彩を加えているように感じた。どちらも僕のいる世界。この世界も大事。自キャラも大切な存在だ。課金設定を自動継続に変更した。
ゲームに入っても、しばらくソロで、初見PTに入ったり、物を作ったり、採集したものを売ったりして過ごした。