価値

カコちゃんから何時ものように連絡が来る。そうだ、カコちゃんに相談しよう。
「カコちゃん、・・・・」あれ、なんて相談すればいい。僕は男性、元カレは、男性?女性?
「なに、ベンタ君。」
「いや、今日・・・」と僕は話を切り出せない。
「わかった。山田に変わるね」
といって、カコちゃんは、山田君になった。
「今日の食堂の件ですか。こっちに来ると思ったらどっか行っちゃうから。」
「だって、女性と話してたでしょ。」
「なんかあれ以来、女性から話かけられるんですよ。迷惑なんですけどね。」
「そうなんだ。元カレの件で相談したかったんだけど、いいかな。」男女どちらかわからないキャラになっていた。
「そんなのもう忘れてください。どうせまた連絡来たんですよね。」
「わかるんだ。なんか軽薄なチャットが来て、冷めちゃった。」
「それが、元カレがつけている君の価値ですよ。」
何も言えなかった。わたしは、その指摘にすごくショックを受けた。
「ごめん、相談する内容じゃ、なかったね。」
「僕は、元カレのこと忘れてほしいと思ってます。それだけ。違和感あるので戻るね。」
と、山田君からカコちゃんに戻った。
「ベンタ君、ごめんね。違和感あって、長く続けられない。今日は何するの。」
といつものカコちゃんになっていた。僕もいつものベンタに戻っていた。

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