「カコさんは、女性キャラ。相手の女性も女性キャラ。仲がいいといっても、関係は曖昧でした。カコさんが女性キャラだったからでしょう。私は、二人のリアル側も知ってます。リアル側の彼は、あまり自信を持っていないタイプです。リアルでどうしていいかわからな様でした。リアルの彼女は、清楚な感じのかわいらしい女性でしたから、周囲がほっとくわけもなく、男性から話しかけられることはあったようです。私もそれほど経験豊富というわけではないので、彼にろくなアドバイスもできませんでした。」
そんなことがあったんだ。
「こっちでは、カコさんと彼女二人で過ごすことが多かったので、多分、彼女は、待ってたんだと思います。でも、リアルの彼は、動けなかった。そうこうするうちに、彼女に彼氏ができて、ゲームにも入らなくなりました。」
「そんなことがあったんですね。」
山田君があの時、怒ったのはこの時の傷に触れたからなのかな。“私”は、デリカシーのかけらもない人間だ、落ち込む。
「ベンタさんが、カコさんとの関係をどう思っているかはわかりませんが、真剣に考えていないなら、はっきりそれを伝えてほしいです。あいまいにしたまま振り回すのだけはやめてほしいと思ってます。」
「マスター、ご心配ありがとうございます。僕は、真剣に考えてます。リアルでちゃんと彼に言ってもらってますから、だから私ちゃんと考えてます。」
あっちとこっちがこんがらがった回答になってしまった。