「カコちゃん、静かな場所でお話しできないかな。」と僕は、彼女の気持ちを確認すると決心した。
「いいよ。どこ行く。」
町はずれの誰もいないベンチに座った。
「あのさ、なんで僕とこういう感じで一緒にいるの。」あくまでも付き合ってるとは言わない。否定されることの保険を思いっきり掛けた。
「変な言い回しだね。中の人が気になるって気持ちが私にも影響するんだよ。」
「山田君の気持ちが影響してるんだ」
そりゃそうだよね。同じ人間なんだから。
「そしたらさ、やっぱり大事にしなきゃと思う訳ですよ。それから、注目してると。一生懸命だし、キャラがかわいい感じの男子じゃん。で、なんか、中の人がきっかけを見つけてきた感じかな。かわいいな、守ってあげなきゃって思ってる。」
「そうなの。僕、そんなに頼りないんだ。」
「ごめん、傷つけるつもりじゃないよ。プレイ歴も違うから。私のできることはやってあげたいと思ってるだけ。」
「そうなんだね。すごく不安になっちゃって。」
「たぶん山田の方がすごく不安だと思うよ。」
よく考えるとおかしな二人だよね。