久々に息子が帰ってきたので、彼女も料理に力を入れていた。僕もそれを手伝っていた。
父が料理を手伝う・・・昔からの見慣れた風景だ。父は母の家事の手伝いをよくやっていた。母はそれをチームプレイと言っていた。光士の眼には、今、「父は、何かやましいことがあって、それを隠すために家事に協力的な態度を見せているのでは」と見えていた。
いつもより豪華な夕食を前に僕たちは、食事を始めた。「光士、仕事の調子はどうだ?」
「まあまあだよ。新人研修ももうすぐ終わりで、本格的に仕事が始まるよ」
光士からいきなり、「父さん、最近ゲームとかやってるの」と聞かれた。
僕は、彼女と顔を見合わせてから、「いいや、やってないよ。なんで。」といった。今さら30年以上オンラインゲームやってますとは言いづらかった。夫婦二人で。
光士は、「なんとなくだよ。」と返した。父は、ゲームのことを母にも隠しているのかと確信した。浮気への疑念がますます大きくなった。
日曜日に光士はアパートに帰った。