記念撮影

ミドラン女子さんは、「ありがとうございます。おかげで自信取り戻せました。記念のSSを取りたいんですがいいですか。」と提案してきた。
しまった。忍者じゃん。おしゃれミラプリしていない。トークン装備のままだ。というのが頭をよぎった。
4人で並ぶのかなと思って、位置につこうと動くと。
「プリムさんは、入らなくていいですよ。マスターと2ショットを撮りたいんです。」
と言われた。
「そ、そうですか」としか言えず二人から離れた。
時間が長く感じる。気まずいのでIDから出たいんだけど、もう一人のDPSがまってるから出れない。
やっと二人の撮影が終わり、マスターが「せっかくだから、全員でSS撮ろうよ」といった。
私は、マスターの隣になった。別に意識したわけじゃない。偶然だ。グルポの画角を調整してマスターと私の2ショットを作った。何してんだ、私。

お手伝い

私とマスターがFCハウスで、供物の製作をしているときに、FCメンバからミドラン女子さんがノーバフまとめタンクに暴言を受けてショックを受けていると連絡が入った。
FCメンバ二人でレベルレに入って、暴言を受けたようだ。ミドラン女子さんがヒーラーで、もう一人がDPSで申請。ミドラン女子さんがタンクを落として暴言を受けたとのことだった。ミドラン女子さんは、かなりショックを受けており、もうヒーラーは怖くてできないと落ち込んでいた。
マスターは、「僕がタンクで一緒に行きましょう。そのタンクが下手なだけですよ。大丈夫です。自信持ってください。」と励まし、再挑戦を提案した。
3人で、CFに入ろうとしているので、私もとっさに「私も行きます」と言った。
すると、ミドラン女子さんに「でも、プリムさんは、ヒーラーですよね。私と被ります。」と言われた。
「私、近接もできるから。忍者で入るよ。」と返した。
なんでむきになっているんだろう、私。久しぶりの忍者だ。
暴言を受けたIDに入る。レベリングIDなので、普通に進行すれば、事故は起きにくい。それでもマスターは、ミドラン女子さんに自信をつけさせるためか、普段より、多くの雑魚を、無駄に寄せている感じだった。私はその意図をくんで、土とんの術を設置、雑魚のせん滅に集中した。全滅どころか、誰も落ちることなく、無事、クリアした。

製作

今日は、供物製作の約束の日だった。マスターとの約束の時間にFCハウスに向かう。するとFCハウスの庭で、ミドラン女子さんとマスターが二人で話していた。ミドラン女子さんが私に気が付くと、慌てた様子で、立ち上がり、マスターに「ありがとうございます。相談に乗っていただいて。では、また。」と私に、目も合わさずFCハウスを出て行った。
私は、マスターに「どうしたの」と聞くと。
「FCハウスの改装の件で相談があると言われて、今時間が空いてたから、相談に乗っていました。大した内容じゃなかったんで、自分で決めていいよと伝えただけだよ。」
「いつも、ハウジングの細かいところまで確認するの。」
「いいや、相談を受けたのは初めて。いつもは、勝手に改装してるw。」
「ふーん」怪しい。
と思ったが、マスターが誰と一緒に居ようといいじゃないか。立ち直ったってことなんだから。祝福しなきゃ。
早速、素材を供物の製作担当ごとに分けた。
私は、繊維の中間素材つくりでいきなり失敗した。何やってんだ。私。
「ごめん、失敗した。また、採りに行かなきゃ。ちょっと行ってくる。」とマスターに謝る。
「だめだよ、1人で行っちゃ。二人で採りに行く決まりだよ。」
「あー、そーだった。」
「ちょっと待って、切りがいいところまで作っちゃうから。」
私は、落ちこんで待つ。ミドラン女子さんのことが頭から離れない。
「お待たせ。プリムさんらしくないですね、制作の失敗なんて。」
何も言い返せなかった。
「とりあえず採りに行こう」
その日は、素材を採りに行って終わった。

素材集め

素材リストは私が作った。マスターには無理だ。こういう仕事をしたことがない。私は、日ごろからGC納品の効率的な素材集めの計画を立てている。たから、必要な素材ととれる場所から、効率的な回り方の計画が苦に感じず作れる。
FCハウスでマスターを待っているが、約束の時間になってもマスターが来ない。中堅のFCメンバが私に話しかけてきた。
「サブマスさん引退されるんですね。聞きました。引継ぎの儀でいろいろ大変だけど、十二神の供物の製作は、手伝ってはダメと言われています。すみませんが、頑張ってください。」と言われた。
彼女は、ハウジング係のミドラン女子だ。手伝い禁止の措置まで出ているのかと驚いた。
ミドラン女子さんは、「でもいいですね、マスターと二人きりで。羨ましいです。率直に聞きますがマスターのことどう思います。わたしは、ちょっと気になってます。寂しそうな感じが引かれるんですよね。」
私は、この子がこんなタイプだとは、聞いたことがなかったので正直驚いた。
「いや、マスターにはいろいろ世話になったから、恩返ししなきゃと思っているよ。それだけだよ。同志という感じかな。」
「そうなんですね。安心しました。」とFCハウスを出て行った。
入れ違いにマスターが来た。
「ごめん、FCメンバにつかまって、どうしても話したいことがあるというから。メンバ間のもめ事みたいで話を聞いてた。」
「そういうことなら仕方ないです。行きましょう。」
と素材集めに向かった。
素材集めに1週間程度かかったが、今日で終わりだ。計画通りだ。
ふと、ミドラン女子さんのことが気になって、マスターに聞いてみた。
「ミドラン女子さんから何かありましたか?」
「何かって何??特に連絡もないけど?何かあった。」
「いいえ、なければいいです。」
私何聞いてるんだろう。突然。マスターも困るよね。でもミドラン女子さんとはなにもなさそうだ。

サブマス引継ぎの儀

【巡礼地】
ハルオーネ クルザス中央高地
メネフィナ クルザス中央高地
サリャク モードゥナ
ニメーヤ 低地ラノシア
リムレーン リムサ・ロミンサ
オシュオン 外地ラノシア
ビエルゴ 黒衣森南部森林
ラールガー 南ザナラーン
アーゼマ 東ザナラーン
ナルザル ウルハダ
ノフィカ グリダニア
アルジク 黒衣森南部森林

【供物】
ベストマンジャケット ピュアホワイト染色
ベストマンスラックス ピュアホワイト染色
ベストマンゲイター ピュアホワイト染色
サロンサーバーグローブ ピュアホワイト染色
ブライズメイドドレス ピュアホワイト染色
ブライズメイドタイツ ピュアホワイト染色
ブライズメイドサンダル ピュアホワイト染色
サロンサーバードレスグローブ ピュアホワイト染色
チェリーブロッサムオーナメント:ホワイト
ルピナスオーナメント:ホワイト
グリダニアンブーケ
ダイヤモンドリング

【決まり事】
供物は、グリダニアンブーケを除き、素材から二人で集めること。
製作品は、二人で分担して作成し、すべてHQ品とする。
※カララント:ピュアホワイトは、マケボ入手とする。
必ず、マスター、後継サブマスターの二人で石碑に向かうこと
1日1か所のみ、2か所以上は同日に回ってはいけない。1か月以内にすべて回ること。
巡礼計画を立て、事前にFCメンバに公開すること。
1か所1つの供物を持ち、祈りをささげること。
供物は持ち帰り、カンパニーチェストに納めること。

サブマスは2か月後に引退するのでそれまでに巡礼を終えてほしいとのことだった。
「なんですかこの供物」と私は疑問を投げる。
「さあ、先代マスターが決めたことなのでわかりません。」
とサブマスが答える。
マスターの方を見るとマスターもわからないという表情をしている。とりあえず計画するか。

遺言

まずマスターの交代の経緯が公開された。
「僕の入院が決まった。おそらく、戻ってこれないだろう。次のマスターを彼にお願いしたい。サブマスさんには、長くこのFCを支えてもらっているが、彼は、悲しみを乗り越えた経験がある。その経験がこのFCのモットーを守る一番の力になると思う。サブマスさんには引き続き、彼を支え、このFCを引き続き盛り立ててほしい。」とあった。
マスターもサブマスも黙ったままだ。空気が重い。
サブマスから私に「先代マスターの意思を引き継ぐためにも、ぜひ、君にサブマスを引き継いでもらいたい」と再度要請された。断れなかった。
続いて、サブマスの引継ぎについての話題に移った。
「サブマス交代時には、サブマスの交代を十二神へ報告するため、十二神石碑巡礼を行うこと」と言われた。そこまでするの。
「マスターもやったんですか」と聞くと
「いいや。マスターの交代の巡礼報告はなかったよ」とマスター。
「サブマスだけ・・・・」
「それだけ、サブマスの任務は重要ということだよ。このFCでは、」とサブマスが言う。

サブマス引退

FCのサブマスターは、先代のマスターの友人で、FCの設立時のメンバの一人だ。先代マスターは、引退する際に、サブマスでなく現在のマスターに引き継いだ。私はその理由を知らない。
そのサブマスがリアルの都合で引退すると連絡があった。そのため、サブマスを私に引き継いでほしいと要請が来た。私は、このFCでは、新参者なので、古参の方にお願いしたいと、固辞した。私は、マスターとサブマスに呼び出された。
そこで、サブマスは、先代マスターの遺言を預かっているといった。遺言の話は、初めてだった。マスターも初耳とのことだった。サブマスは、遺言は、サブマスの自分だけに託されている。サブマスの私がもし引退する場合、その時のマスターとサブマスの後継者に遺言を公開するように託されたとのことだった。

同志

私には、同じ傷を持つ仲間がいる、FCのマスターだ。彼は、このFC の創設者ではない。病気でインできなくなった先代マスターからマスターを引き継いだ。先代のマスターは、彼と私の恩人だ。彼も私もパートナーの突然の失踪を経験している。彼の止まった時間を動かしたのが先代マスターだ。私を動かしてくれたのが、今のマスターの彼だ。だから、私は、マスターのことを同志だと思っている。このFCのモットーが「今日を楽しむ」だ。今日を楽しむことが、自分を許すこと、人を許すこと、悲しみを癒すことにつながっていると思う。私もうまく説明できない。でも居なくなった彼を私は恨んでいない。彼と歩んだ道は、今でも私の誇りだ。そう思えるようになったのも、多分、今日を楽しんでいるからだと思う。マスターの彼は、その思いを引き継いでFCを運営している。私は同志として、その思いを支えている。

プレイスタイル

私の名前は、 Prim Rose。みんなからは、プリムと呼ばれている。私の目指すプレイスタイルは姫ちゃんだ。「強く、かわいく、美しく」を目指している。戦場に可憐に咲く一輪の花(を目指している)。名前の由来の花は、待宵草、月見草。私が好きな花。
メインジョブは、白魔道士。どんな状況でも最後まであきらめない。MPがある限り、立ち上がらせる、何度でも。あくまでもモットーなので、転がるときは転がるし、落とすときは落とす。めげずに、何度でも挑戦するというスタイルだ。純白の装備を身にまとい、パーティメンバを心身ともに癒している(つもりだ)。
私は、人をサポートするのが好きで、その人が目標を達成したら、私もうれしい。だから、FCでは、福利厚生を担当している。今日もカンパニーアクションで、みんなの冒険を支えている。

その先を目指して

装備更新のための一通りの作業を終えて、久しぶりにFCハウスに行った。誰もいなかった。庭のベンチに座って、コーヒーを飲んで一息ついた。新しい冒険の続きを始めようと思い、ここ何日間かは、心機一転、新しいミラプリを準備していた。新しいパッケージの追加パッチが出ていたが焦る気持ちはなかった。マスターに連絡を取る。
「こんにちは、マスター。新パッケージはどこまで進みましたか」
「こんにちは、もうストーリーは終わって、ノーマルレイドやってるところ。」
「そうですよね。僕もボチボチ行くことにしました。新しいIDに着いたら手伝ってください。」
「わかりました。ID解放したら連絡してね。」
「それから、あの話。サブマス受けます。これからもよろしくお願いします。」
「ありがとう。よろしくね。」
今のゆるふわの感じが僕の今の生活に合ってると感じる。
自分のペースで今の生活を楽しんでいこう。僕が立ち止まった場所に向かう。新しいクエストを受ける。未知のエリアへ向かうクエストだ。僕は、また旅を始めた。

おしまい