僕は、彼女を思った。プリムさんの顔しか浮かんでこない。心の中には、あったかくて切ない思い出が確かにあるのに。
私は、彼を思った。マスターの彼のことしか浮かんでこない。心の中には、熱くてほろ苦い思い出が確かにあるのに。
私は、彼にお願いした。ダイヤモンドリングを作ってと。私が作ったリングは彼にあげた。彼が作ったものを私がもらった。私たちは、公式のエターナルセレモニーをするつもりはない。だって、もう正式な儀式は終わっているし、大切なアイテムもたくさんあるから。いまからやっても公式なだけで本物じゃない。彼のもとにテレポできないのは不便だけど、その時は呼び出せばいい。いつだってすぐに来てくれてたんだから。
私の明日が来なくなる日がいつかなんて分からないけど、いつかは来るんだよね。誰にでも。私がインできなくなる日が来るかもしれないけど、今日を大事にしていれば後悔なんてしないよね。今日を楽しんでいれば、その時、彼だって悲しまないよね。なんか、わかった気がした。わかった気だけだけど。今日も彼とこの世界を楽しもう。そうだ、彼に会いに行こう。
おしまい