リムサ・ロミンサ
この日も石碑に向かう。二人で石碑に向かい祈りをささげた。
私は、デジャブを覚えた。ここ来たことある。そうだ、あの時のイベントだ。
「マスター、この場所覚えていますか。その時、素材集めも行く必要なくなって、連れていかれたイベントのクエストで訪れた場所です。」
「ごめん、あんまり覚えてない。」
「そうですよね、私も忘れていました。」
覚えていなくても当然だよね、毎年来る特別じゃない定例のシーズナルイベントのクエストの1場面に過ぎないんだから。
「この場所は、覚えてないけど、あの時のプリムさんは覚えているよ。めちゃくちゃ戸惑ってて、クエストのために僕についてくるのが精いっぱいだったこと。」
「そんなときもあったね・・・。」
特別じゃない街角にも、当たり前の風景にも、毎年来る定例のイベントにも、きっと、誰かの思い出とつながってるんだ。いつもの変わらないエオルゼアの風景が、いっそう、いとおしく感じられた。
「Evening Primrose」カテゴリーアーカイブ
ニメーヤ
低地ラノシア
この日も石碑に向かう。二人で石碑に向かい祈りをささげた。
プリムさんより後輩のFCメンバが待っていた。
「プリムさん、僕のこと覚えてますか。ここの上の丘でプリムさんに助けられました。まだ駆け出しのころで、町から離れた場所に来るのは、初めてだったんですよ。とりあえずFATEでレベル上げてたんですけど、FATEの敵とフィールドの敵の区別がつかなくて、たくさんの敵に囲まれちゃって、倒れちゃったんです。慌てて、操作わかんなくなって、倒れたまま、途方に暮れてました。そしたら、どこからか蘇生が飛んできて、起こしてもらいました。それがプリムさんでした。その時、チャットもちゃんとできなくてお礼とかも言えなくて、ずっと心残りでした。別れのエモートを決めて、飛び去って行った姿がかっこよかったです。名前を覚えていたので、同じFCに入れてもらいました。プリムさんは、あまりつるまない人なんで、これまでお礼いう機会がなかったんです。この場を借りて言わせて下さい。あの時はありがとうございました。」
「いや、べつに、お礼なんていいよ。辻ヒールは、私の趣味だから。」私の本心だ。
倒れた人を起こすのが姫ちゃんとしての私の信条だ。倒れてくれてありがとうと私がお礼をいいたいよ。
サリャク
この日も石碑に向かう。二人で石碑に向かい祈りをささげた。
FCメンバがやはり待っていた。
「先代が病気で抜けた後、俺は、サブマスがマスターを引き継ぐのがふさわしいと思ってた。だから、その時、勢いでFCぬけちゃんたんだけど、後でサブマスにひどく怒られたよ。でも俺も意地っ張りだから、戻らず、他のFCとかにも入ったんだけど、やっぱり、先代の作った環境は大きかったんだよね。居心地がいいというか。俺は、戦闘くらいでしかFCに貢献できない。イベント主催とか苦手だしね。役割もらってもうまく出来ないから。先代は、好きなようにやらせてくれていたんだなと思ったよ。そんな時、マスターが俺に声かけてくれたよね、戻れとは言わず、極討滅戦に挑戦するから指導してほしいって。それで自然にここに戻れたよ。」
「いや、あんときは、プリムさんも迷いがあったから。絶対、失敗できないなと思って、頼るしかなかったんだよ。他に上手い人知らなかったし。」
「人のために動けるんだよ。マスターは。先代と同じだよ。」
私は、そんなこと今まで知らなかった。知らないところで、私はいろんな人に支えられている。
メネフィナ
クルザス中央高地
この日も石碑に向かう。二人で石碑に向かい祈りをささげた。
帰ろうと思い振り向くとFCメンバの1人がいた。昨年の11月くらいに入ったメンバだ。
「マスター覚えていますか。昨年末のFCのクリスマスイベントのこと。ドレスコードがクリスマスだったので、てっきり着ぐるみだと思たんですよ。それで、スノーマンの着ぐるでいったんですけど、みんなかわいいサンタコスプレしてるじゃないですか。なんか自分だけ浮いちゃって。そしたら、マスター最初、グリーンサンタだったのに、トナカイの着ぐるみになってるんですよ。しかも私のそばに来てくれて声までかけてくれた。そしたら、プリムさんもスノーマンになってるし。それで、みんなの輪に入れました。今、FCで楽しめているの二人のお陰です。ありがとうございました。」
「そんなことないよ。自分自身で、いろいろ楽しんで挑戦しているからだよ。」
私は、マスターは考えてなさそうでいろいろ考えているんだなと改めて感心した。
ハルオーネ
クルザス中央高地
供物はできた。私たちは巡礼のスケジュールを立てた。1日1か所しか回れない。最速でも12日間かかる。二人のリアルの都合と、エオルゼアの都合を合わせて、巡回日程を立てた。日程は、FCフォーラムで公開され、FCメンバならだれでも見ることができた。
1か所目のハルオーネの石碑に向かう。二人で石碑に向かい祈りをささげた。
帰ろうと思い振り向くとFCメンバの1人がいた。
「覚えていますか。マスター。あなたがFCに加入した日のこと」
「いや、はっきりとは覚えていません。先代マスターに誘われて加入したのは覚えています。」
「先代マスターからあなたの加入の話が事前にありました。対人関係で喪失の経験があることも聞いていました。僕たちは、先代マスターの“今日を大事に、今日を楽しむ”のモットーは頭では理解していました。でも正直、難しい人が来るのかなと心配していました。あなたの挨拶を今でも覚えています。“正直に言うとまだ、落ち込むことがあります。そんな時は、泣きます。素直に。一通り泣いたら、その後、笑います。いつものように。だから僕が泣いていても気にしないでください。”でした。驚きました。初めのあいさつで泣くと言った人は初めてだったので。でも考えてみれば、僕だって泣きたくなる時はありました。誰にだってあると思います。泣いてもいいんだ、その後、笑えればいいんだと気が付きました。あなたから教わったことです。それだけです。では。」とテレポして去っていった。
マスターは黙ったままだった。
そんなことがマスターにあったんだ。一緒に泣いていてくれてたのかな、あの時。
もめ事
今日も、僕は、プリムさんとFCハウスの庭で、供物の製作をしている。そこに、FCメンバが僕のところにやってきた。相談があるらしい。
「相談事なので、ちょっと離れます。プリムさんは、休んでてください。」と言って、FCメンバとハウスの中に入った。
FCハウスの中で、メンバの話を聞く。仮に、FCメンバをAさんとする。
「Bさんから、プリムさんのことで相談されたんですよ。」
「えっ、どういうこと」
「Bさんが、プリムさんとIDに行く機会があり、ラスボスで攻撃回避に失敗して、ぺろっちゃったんですって。直ぐに起こしてくれて。まあそこまでは普通じゃないですか。同じギミックでまた、ぺろっちゃったんです。Bさん、そこタイミングが特殊で苦手なんだそうですよ。そしたら、まだ迅速のリキャが来てなかったのか、詠唱レイズしてくれたそうです。クリア前に蘇生してもらったと。マジで惚れたというんですよ。」
「それがどうしたの」
「いや、実は僕も、先日、最新の討滅戦でプリムさんと一緒になったんです。後半、たくさんランダムにAOEが出るところあるじゃないですか、安置判断誤って、AOEに囲まれちゃったんです。自分の下にもAOEも出て、あーこれは、ダメなパターンだとあきらめた時に、救出が来たんですよ。プリムさんから。僕のハートは、その時にプリムさんに救出されました。」
「なんだよそれ、で、相談は?」
「BさんのIDより、僕の討滅戦の方が前なので、アプローチの優先権は、僕にありますよね。」
「いやー、どうかな、相手もいる問題だから。もう一度、一人になって冷静に考えたらどうかな。」
「何を冷静に考えるんですか?そういえば、引継ぎの儀で最近、マスターは、プリムさんと一緒ですよね。マスターはどう思っているんですか、プリムさんのこと。」
いままでストレートに聞かれたことない。
「いや、僕もいろいろあったし、彼女もいろいろあったから。同じ目標を持った同志みたいな関係だよ。」
「そうですか、安心しました。それなら僕は、プリムさんの過去知らないので、考えなくていいですね。ちょっと真剣に考えます。」
「いやいや、Bさんとよく話し合って、仲良くやってよ。」
「とりあえず、わかりました。話ができてすっきりしました。ありがとうございます。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
何も解決していないのに、お礼を言ってAさんは出て行った。
プリムさんって人気あるんだな。プリムさんは、僕のことどう思っているんだろう。
記念撮影
ミドラン女子さんは、「ありがとうございます。おかげで自信取り戻せました。記念のSSを取りたいんですがいいですか。」と提案してきた。
しまった。忍者じゃん。おしゃれミラプリしていない。トークン装備のままだ。というのが頭をよぎった。
4人で並ぶのかなと思って、位置につこうと動くと。
「プリムさんは、入らなくていいですよ。マスターと2ショットを撮りたいんです。」
と言われた。
「そ、そうですか」としか言えず二人から離れた。
時間が長く感じる。気まずいのでIDから出たいんだけど、もう一人のDPSがまってるから出れない。
やっと二人の撮影が終わり、マスターが「せっかくだから、全員でSS撮ろうよ」といった。
私は、マスターの隣になった。別に意識したわけじゃない。偶然だ。グルポの画角を調整してマスターと私の2ショットを作った。何してんだ、私。
お手伝い
私とマスターがFCハウスで、供物の製作をしているときに、FCメンバからミドラン女子さんがノーバフまとめタンクに暴言を受けてショックを受けていると連絡が入った。
FCメンバ二人でレベルレに入って、暴言を受けたようだ。ミドラン女子さんがヒーラーで、もう一人がDPSで申請。ミドラン女子さんがタンクを落として暴言を受けたとのことだった。ミドラン女子さんは、かなりショックを受けており、もうヒーラーは怖くてできないと落ち込んでいた。
マスターは、「僕がタンクで一緒に行きましょう。そのタンクが下手なだけですよ。大丈夫です。自信持ってください。」と励まし、再挑戦を提案した。
3人で、CFに入ろうとしているので、私もとっさに「私も行きます」と言った。
すると、ミドラン女子さんに「でも、プリムさんは、ヒーラーですよね。私と被ります。」と言われた。
「私、近接もできるから。忍者で入るよ。」と返した。
なんでむきになっているんだろう、私。久しぶりの忍者だ。
暴言を受けたIDに入る。レベリングIDなので、普通に進行すれば、事故は起きにくい。それでもマスターは、ミドラン女子さんに自信をつけさせるためか、普段より、多くの雑魚を、無駄に寄せている感じだった。私はその意図をくんで、土とんの術を設置、雑魚のせん滅に集中した。全滅どころか、誰も落ちることなく、無事、クリアした。
製作
今日は、供物製作の約束の日だった。マスターとの約束の時間にFCハウスに向かう。するとFCハウスの庭で、ミドラン女子さんとマスターが二人で話していた。ミドラン女子さんが私に気が付くと、慌てた様子で、立ち上がり、マスターに「ありがとうございます。相談に乗っていただいて。では、また。」と私に、目も合わさずFCハウスを出て行った。
私は、マスターに「どうしたの」と聞くと。
「FCハウスの改装の件で相談があると言われて、今時間が空いてたから、相談に乗っていました。大した内容じゃなかったんで、自分で決めていいよと伝えただけだよ。」
「いつも、ハウジングの細かいところまで確認するの。」
「いいや、相談を受けたのは初めて。いつもは、勝手に改装してるw。」
「ふーん」怪しい。
と思ったが、マスターが誰と一緒に居ようといいじゃないか。立ち直ったってことなんだから。祝福しなきゃ。
早速、素材を供物の製作担当ごとに分けた。
私は、繊維の中間素材つくりでいきなり失敗した。何やってんだ。私。
「ごめん、失敗した。また、採りに行かなきゃ。ちょっと行ってくる。」とマスターに謝る。
「だめだよ、1人で行っちゃ。二人で採りに行く決まりだよ。」
「あー、そーだった。」
「ちょっと待って、切りがいいところまで作っちゃうから。」
私は、落ちこんで待つ。ミドラン女子さんのことが頭から離れない。
「お待たせ。プリムさんらしくないですね、制作の失敗なんて。」
何も言い返せなかった。
「とりあえず採りに行こう」
その日は、素材を採りに行って終わった。
素材集め
素材リストは私が作った。マスターには無理だ。こういう仕事をしたことがない。私は、日ごろからGC納品の効率的な素材集めの計画を立てている。たから、必要な素材ととれる場所から、効率的な回り方の計画が苦に感じず作れる。
FCハウスでマスターを待っているが、約束の時間になってもマスターが来ない。中堅のFCメンバが私に話しかけてきた。
「サブマスさん引退されるんですね。聞きました。引継ぎの儀でいろいろ大変だけど、十二神の供物の製作は、手伝ってはダメと言われています。すみませんが、頑張ってください。」と言われた。
彼女は、ハウジング係のミドラン女子だ。手伝い禁止の措置まで出ているのかと驚いた。
ミドラン女子さんは、「でもいいですね、マスターと二人きりで。羨ましいです。率直に聞きますがマスターのことどう思います。わたしは、ちょっと気になってます。寂しそうな感じが引かれるんですよね。」
私は、この子がこんなタイプだとは、聞いたことがなかったので正直驚いた。
「いや、マスターにはいろいろ世話になったから、恩返ししなきゃと思っているよ。それだけだよ。同志という感じかな。」
「そうなんですね。安心しました。」とFCハウスを出て行った。
入れ違いにマスターが来た。
「ごめん、FCメンバにつかまって、どうしても話したいことがあるというから。メンバ間のもめ事みたいで話を聞いてた。」
「そういうことなら仕方ないです。行きましょう。」
と素材集めに向かった。
素材集めに1週間程度かかったが、今日で終わりだ。計画通りだ。
ふと、ミドラン女子さんのことが気になって、マスターに聞いてみた。
「ミドラン女子さんから何かありましたか?」
「何かって何??特に連絡もないけど?何かあった。」
「いいえ、なければいいです。」
私何聞いてるんだろう。突然。マスターも困るよね。でもミドラン女子さんとはなにもなさそうだ。